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「あのね、私と雪ちゃんだけ怪しまれているけど他にも疑う人が居るんじゃないかしら?」
黒瀬みゆきは突然そんな事を言い出した。
「どう言うことでしょう?」
と主人。
「さっきも言ったと思うけど奥様もけっこう一人になる時があったでしょ?」
いきなりスポットライトを当てられて西村町子は驚いた顔をした。
「確かに、洗濯などは風呂場のすぐ近くですからね。」
私は見取り図をみながら首肯いた。
「そうですね。洗濯をしたのは何時頃ですか?」
主人は西村町子に訊いた。
「あ、あのう、確か夕飯終わってすぐですので7時を少し過ぎた頃から一時間くらいかと。」
西村町子は記憶を振り絞っている様子だった。
「夕食は何時頃でした?」
「夕食は7時です。」
「え?夕食は食べなかったんですか?」
私は驚いて聞いた。
「いえ、早く食べるのが癖なんです。」
と西村町子は恥ずかしそうに言った。
「ほとんどの人は食べ終わってなかったんで、汚れた食器はキッチンに置いておく様に言って洗濯をはじめました。全自動だったのでたまに様子を見に行く程度で良かったんですけど。もちろん女性と男声は別々に洗いましたよ。」
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