誰かが嘘をついている。

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「それでは、さっそくで申し訳ないのですが二三、質問しても宜しいですか?」 主人はなんの躊躇(ためら)いもなく白井雪に尋ねた。 「ちょ、ちょっとあなたね、少しは配慮しなさいよ。」 「いえ、いいんです、その為に来たんですから。」 美里先生に庇われた白井雪は毅然(きぜん)とそう答えた。 「ありがとうございます。ではさっそく質問なのですが…。あなたは犯人ではないと主張されてますよね?」 「はい。」 「だとすると、4時半のLINEを受信された時に西村社長が生きている可能性を考えて助けようとしなかったのは何故ですか?」 「そ、それは……。」 「それは?」 「そのLINEが社長からではないと思ったので……。」 「それは何故ですか?」 「私は探したんです。」 「何をでしょう?」 「社長がもってる携帯をです。」 「何時ですか?」 「社長に呼ばれてロッジの裏に行った時です。」 「具体的には?」 「よく覚えてません。ただ午後11時には部屋に戻ってきたと思いますので、10時半から11時の間だと思います。」 「それは何故です?」 「豪代君の声で11時の何かが始まったのを聞いたので。」 「恐らくギルドバトルですね?」 私が何故か助け船を出した。 「そう、それです。」 と白井雪。 「う、うそよ。ちゃんと携帯を握っていたわ。」 そう割り込んだのは勿論、黒瀬みゆきだった。
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