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本編第十二話の裏話 市民プールとラサの悲劇(ライトノベル版)
「ねえねえ、せっかくの夏休みなんだし、みんなでプールに行こうよ!」
そう提案したのはマナミちゃん。
「ウチは賛成やで」
ラミちゃんも行きたそうね。
「わたくしはラサ様の看病をしておりますので、三人で行ってきて下さいませ」
ラサ君のベッドの横の椅子で目を閉じて祈り続けるアイリさん。
「実は‥‥アイリさん用の水着、とかもあるのよね。七夕の浴衣みたいに」
「わたくし用のミズギ? ですか?」
ハテナを飛ばしてるアイリさん。
「ああ、水着ってのは、プール‥‥んー、水遊びする時の濡れてもいい服の事よ☆」
「まあ、皆様と水遊びも楽しそうですわね。でも、ラサ様の意識が戻ってからでも‥‥」
「ダーメ、美女&美少女4人の水着姿を、このバカに魅せるのなんて勿体無い!」
ふふっ、ラサ君が私に告白した事を根に持ってるのかしら?
でも、確かにラサ君に私の水着姿を魅せちゃったら‥‥ね。
マナミちゃん、ラミちゃん、アイリさん‥‥ピチピチの美少女達が霞んでしまうかも知れないわ。
なんて、私の自信過剰・自意識過剰かしらね。
この一生で私に告白したのはラサ君だけで、嬉しかったのは事実よ。
でも、私はラサ君には相応しくない。
「メディカルロボットが、しっかり看病してくれるから大丈夫。アイリさんも行きましょ、ね?」
「そう仰られるのでしたら‥‥誰かと水遊びなんてした事ありませんの」
もじもじと頬を染めるアイリさん。
「アイリさん、クリムゾンウインドを持ってきてね。私達じゃ重た過ぎて運べないわ」
「はい、お待ち下さい」
少し待つとアイリさんがクリムゾンウインドを抱きしめて戻ってきた。
剣霊となっているアイリさんは、クリムゾンウインドから一定の範囲内しか移動できないのよ。
クリムゾンウインドは、普段、研究所中央に安置してるから、研究所内がギリギリの範囲、外には出られない。
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