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「……それはわからない。だけど、浄化後の変化は関係あるはずだ」
不安そうに尋ねる有羽の様子に、それだけを告げた。有羽が全てを知るまでは、まだ早すぎる。そう思った。
「有羽、次からの任務には遼太朗が絡んでいる可能性が高くなる。またこの前のようなことがお前に起こるかもしれないし……遼太朗自身がターゲットとして現れるかもしれない。だとしても、大丈夫か?」
静かに問いかけると、有羽ははっとしたように顔を上げた。そして決意を表すように智孝を真っ直ぐに見つめ、言う。
「大丈夫。やれるよ」
その瞳を見据えて、ふっと頬を緩ませ「──そうか」とだけ応える。
「じゃあ、ここからは俺の推測を話す。あらゆる可能性を考える練習だと思ってくれ」
「はい」
晟と有羽は声を合わせて返事をした。
「この招待状は明らかに晟を狙っている。ここはシンプルに考えよう。すぐにわかるようにしないと、招待状を送る意味がないからな。晟に聞くが、『緋華見』『6という数字』『曲目』『女性』と聞いて、真っ先に思い浮かべる人物は誰だった?」
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