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「へー、すごいね。魄の研究っておもしろそう。どんなことしてるの?実体がないのに、どうやって調べるのか気になる」
やはり、晟と同様おもしろい人種のようだ。聖は、ふっと笑って答える。
「今度、研究所に来てみる?」
「え?いいの?うわ、やった!一回でもいいから中に入ってみたいと思ってたんだよね」
「字守ならいつでも入れるよ」
当然のことを口にしたつもりだったが、有羽は晟と顔を見合わせて何やら目で会話をする。
「うーんとね、私は字守もどきっていうか、補佐に近い感じかな?普段は……普段は私何してるんだろ?」
「いや、知らないから」
笑いながらそう返す晟に、有羽は小さく「あ」と呟いて手を叩いた。そして「ちょっと待ってて。私も紹介したい人達がいるから」と言って、その場を去った。
「珍しいな。っていうか、初めて見たな。聖がナンパしてるとこ」
「ナンパじゃないよ」
「いやいや、いいことだよ。お前、あんま人に興味持たないもんな」
「それはまあ……ほとんど同じような会話になるから、話す意味ないなと思って」
聖の本音に対して、晟は肩を揺らして笑う。
「やっぱ聖って違うよな。そんな答え普通返ってこねーもん」
「僕は、晟の方が予想外のことばかりすると思ってるよ」
「うんうん。私も最近だけど、晟は予想外な人だとわかってきましたぞ」
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