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『笑ってみろよ。その美貌なら、世界が変わるかもしれないぞ』
それまで聖は自分の容姿にコンプレックスがあった。そのせいでいらぬやっかみをもらっていたと。でも、違ったのだ。僕は、自分で自分の世界を狭くしていただけに過ぎなかった。そう聖は思っていた。
「晟はここの訓練場で実戦的なことを教えてるんでしょ?」
有羽から聞いた、と里紗は付け足す。
「あー。教えてるっていうよりは、遊んでる感じだけど」
「晟って、教えるのうまいよね。私も相手してもらったけど、すごい勉強になった!あと、結構、人のこと見てるよね。その人の今のレベルを見極めて、引き上げる力を調整してるイメージ」
「へー、私も受けてみたいわ」
有羽の称賛に先生がそう感想をもらした。晟が隣でどことなく照れながらも嬉しそうにしている姿を見て、聖は世界が楽しくなると言ったその意味をもっと知りたいと思った。
久々に、わくわくした。
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