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「そう、だね……朧は『鬼』の力そのものだと思った方がいい。それが凝縮されて、石という形になってるだけだと。だから朧は、魄から『鬼』を吸収して『白』というまっさらな状態に戻すんだ。字守からは、その人の感情──言葉と鬼の力を魂にして外に出すことができる。いくら自分以外からエネルギーを得られるとしても、それを上回る力を使えば、当然感情や感覚は薄れるし、意識もなくなる。そして寿命も削られてしまう」
「へー! すっごい納得! 面白いね」
目をキラキラと輝かせて話す有羽に、自分も含め、その場にいた全員が言葉を失った。皆の気持ちを代弁するように、実春が半ば呆れながらも「面白い、のか?」と尋ねる。
「感情や意識がなくなったり、寿命が短くなるんだぞ?」
「えー? ミーちゃんは面白くないの? だって、なかなかない経験ができるんだよ? すごくない? それにさ、もし使い過ぎたとしてもまた補えば問題ないでしょ」
「そうだな。面白いかどうかは別として、自分を保つためにも彩やお前みたいな『講師』がいるんだ。ちゃんと使い方さえわかっていれば問題はない」
智孝がそうフォローを入れると有羽は顔を輝かせる。
「あの時も言っていたけど、有羽は魄も必要だと思ってるの?」
今はもうすっかり馴染んだ聖は、有羽の放った意見に疑問を率直にぶつけてきた。有羽はさほど考える様子もなく答える。
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