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有羽は鬼でも字守でもない。報告では、鬼と字守の行方がわからなくなったはずだ。鬼の正体は明かされてはいなかったが、もし有羽が鬼ならその餌食となっていただろうし、字守であるはずはなかった。
遠藤遼太朗──それが、行方不明になった字守の名前だった。そして、俺が字守として活動し始めてから何度かチームを組んだ男。まさか。
晟は息をのんでその『答え』を口にする。
「遼太朗が……鬼?」
有羽はただ、悲しそうにほほ笑むだけだった。
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