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この動悸の理由を探ることはしないで、ドキドキを胸の奥に押し込めて、蓮は平静を装うことに決め込んだ。
「スクエアって、今再開発してるところの?」
「そう」
横にいる慶太郎を見上げる。蓮の身長は155cm、慶太郎は184cm。昔から見下ろされる感じが嫌で、背の高い男の人が苦手だった。
「ふぅ…ん」
意味深な様子で返事をすると、慶太郎は目の前のグラスを手にした。
「ちょっと何、ふぅんって」
蓮がまた睨むと、慶太郎は冷たいグラスを蓮の?につけた。
「ほら、乾杯するみたいだぜ」
そしてまた、柔らかい笑顔を蓮に向けた。
「…そんな顔してたら、可愛い顔が台無しだよ」
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