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蓮は瞳を閉じた。
お酒を飲んでいないのに、まるで酔っているような感覚が蓮を襲った。
強いお酒を飲んだ時のように、胃の中がカアっと熱くて、それなのに、体はフワフワして飛んで行ってしまいそうで。
ずっと慶太郎のそばにいたい。
ずっと隣で笑っていたい。
本当は、今すぐ抱きしめてほしい。もう二度と逃げられないように、きつくきつく。
本当は、今すぐキスしてほしい。とろけそうに甘い甘いキスを。
抱きしめられない慶太郎の体の代わりに。
キスする事が出来ない慶太郎の唇の代わりに。
蓮は、頬にある大きな手を握ると。
その指先にキスするように。
そっと唇で触れた。
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