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みんなに囃し立てられて、慶太郎は照れたような嬉しような、そして、少し困ったような顔をしていた。
「…怒らないの?」
いたずらをした子供が親を探るように、そんな瞳で蓮を覗き込んだ。
「なんで?」
不思議そうに蓮は慶太郎を見上げた。
「…いや…みんなの前でキスしたから…」
慶太郎は少し恥ずかしそうに、蓮から視線をそらした。
「怒らないよ」
「怒らないの?」
蓮は頷いた。
「…慶太郎、好きよ」
素直な気持ちだった。
自然に口をついて出た、心からの言葉だった。
こんなに素直に、好きと伝えられるなんて。
こんなに心から、好きだと思えるなんて。
私にとって、慶太郎は特別なんだ。
触れられても、怖くない。
キスされても、嫌じゃない。
もう二度と、あなたを傷付けない。
大切にするから、そばにいて。
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