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反則。
イエローカード。
ううん、レッドカードだよ。
こんなのずるい。
涙が出そうなのは、英明を思い出したからじゃない。
違うの。
慶太郎がずるいから。
意地悪なくせに優しいから。
だから…。
本当は、気づいているんだ。
触れても触れられても。
怖くないの。
体が強張らないの。
慶太郎だと、怖くないの。
蓮は唇を一文字に結ぶと、また下を俯いた。
慶太郎の手が伸びて、そっと蓮の頭を撫でた。
「なあ、蓮。…泣きたい時は泣いた方がいいぞ」
蓮は下を向いたまま首を横に振った。
「…蓮、大丈夫だよ」
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