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「梅林町に着いたら起こすから、寝る?」 「うん…」 眠そうに目をこすりながら。 慶太郎は座り直すと、蓮の耳元に口を寄せた。 「あのさ。…蓮、今日うち泊まらない?」 予期しない慶太郎の突然の提案。 蓮は、自分の心臓がドキリと大きな音を一度だけ立てて、そのまま止まったような気がした。 忘れられない忌まわしい記憶が。 風船に針を刺したようにいきなり弾けた。
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