2487人が本棚に入れています
本棚に追加
梅林町駅の改札を出て、2人は自然に手を繋いだ。
雪雲はすでに通り過ぎていて、濡れた道路だけが雪が降ったことを知っているようだった。
空気は、刺すように冷たい。
ものすごく冷え込んで、とても寒かったけれど、慶太郎と2人でいると寒さなんか全く気にならない、穏やかな陽だまりにいるような、ぽかぽかと暖かいような気がした。
蓮は慶太郎を見上げた。
口の両端が少し上がって、それは上機嫌に鼻歌を歌っている。
歩幅もちゃんと、蓮に合わせてくれている。
蓮の視線に気がついたのか、慶太郎が蓮に顔を向けた。
「…ん?どうした?」
蓮は立ち止まると、慶太郎をジッと見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!