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しばらくすると、慶太郎の唇が離れた。 蓮は慶太郎を見上げた。 鼓動は、心臓が熱くオーバーヒートして蒸発するのではないかと思うほど激しくて、濡れた唇もそのままで、慶太郎を見つめた。 慶太郎の視線は、蓮の瞳ではなくて唇にあった。 少し苦しそうに呼吸して、唇を見つめていた。 「…ごめん。また、人前で…」 「…誰もいないよ。それに、最初にしたの…私だから…」 蓮は恥ずかしくて恥ずかして、照れ笑いを浮かべた。 「スクエアで再会した時、頬にキスしたの覚えてる?」 慶太郎は蓮を抱きしめた。 耳元を慶太郎の低くて心地よい声がくすぐった。 「あれからずっと…。こうして蓮にキスしたいって思ってた」 抱きしめている腕を解かれて、蓮は慶太郎を見上げた。 まだ少し、苦しそうな表情をしていた。
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