2487人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくすると、慶太郎の唇が離れた。
蓮は慶太郎を見上げた。
鼓動は、心臓が熱くオーバーヒートして蒸発するのではないかと思うほど激しくて、濡れた唇もそのままで、慶太郎を見つめた。
慶太郎の視線は、蓮の瞳ではなくて唇にあった。
少し苦しそうに呼吸して、唇を見つめていた。
「…ごめん。また、人前で…」
「…誰もいないよ。それに、最初にしたの…私だから…」
蓮は恥ずかしくて恥ずかして、照れ笑いを浮かべた。
「スクエアで再会した時、頬にキスしたの覚えてる?」
慶太郎は蓮を抱きしめた。
耳元を慶太郎の低くて心地よい声がくすぐった。
「あれからずっと…。こうして蓮にキスしたいって思ってた」
抱きしめている腕を解かれて、蓮は慶太郎を見上げた。
まだ少し、苦しそうな表情をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!