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「…明日の朝、電話で起こしてよ」 蓮が罪悪感に駆られているとは全く知らずに、慶太郎は蓮に柔らかい笑顔を向けた。 「慶太郎は朝苦手?」 「そんな事はないよ。でも、蓮の声で起こして欲しいな」 「…じゃ、頑張る」 「蓮…朝苦手?」 恥ずかしそうに蓮は頷いた。 そんな蓮を慶太郎はやっぱり柔らかい笑顔で見つめていた。 「…ねえ、蓮?」 ふと、慶太郎が立ち止まった。 気がつけば、そこはもう蓮のマンションだった。 「明日…ってもう今日か…蓮のご両親と俺の両親に挨拶して…婚姻届を出して…それで、本当にいい?」 慶太郎は妙にかしこまって、蓮を見つめた。 「うん…明日、谷中蓮になるんだね」 「そうだね。…そうしたら、毎朝俺が蓮を起こすよ。だから…朝も夜もずっと一緒にいような」 蓮は泣きそうな顔で慶太郎をじっと見つめると。 ただ、頷いた。
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