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「な、な、な…」
何だこいつ!!!
そう言いたいのに、「な 」しか出てこない蓮の隣に、その背の高い人は座ると、サエの方を向いた。
「友達?」
「…うん。ちょっと、慶太郎ひどいよ」
慶太郎は、もう一度蓮に一瞥をくれた。
「好きなんだろう?だったら簡単に引き下がるなよ。大体、強がる女とか可愛くないし…」
「…ちょっと、やめてよ!せっかく、少し復活してきたんだから。…あ、彼は大学の時のサークルの仲間なの。今回の飲みをセッティングしてもらったんだ。谷中慶太郎ね」
サエはみんなに慶太郎を紹介した。
「こっちが福原万里、佐々木瑠璃子、でこの目の赤いのが吉野蓮」
蓮が睨むと、慶太郎は笑った。
「さ、行こうよ。時間だろ?」
失礼なヤツ!!!最悪な出会い、最悪な第一印象。
でも、慶太郎のくせ毛の柔らかい髪とその柔らかい笑顔に、少しだけ鼓動が早くなった事に…蓮は、気が付かなかった。
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