青とピンクとカツサンド。

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 まずは食パンを軽くトーストして薄く焼き目をつける。 ないのとあるのじゃこっちの方が美味そうだからだ。 あと食感、さっくりふわっとを作る。 それから粒マスタードに少々蜂蜜を加えて混ぜたものをこれまた薄く塗る。 パンの端っこまでが俺達のルール。 あれだ、サンドイッチの具が真ん中にしかないとむかつく法則を解消するためのやつ。 甘辛酸っぱいの三拍子そろった黄色と茶色の粒はすでに口の中がじゅるりとなる。 その間に彼女がざしゃしゃしゃしゃんと器用な包丁使いで超絶細切りにしてくれたキャベツをあまり多くもなく、かと言って少なくもない量をふぁさっと乗せる。 ここまで済んだらメインイベント、カツの登場だ。 牛でも鳥でもない、俺らはポークカツを好む。 分厚い豚肉に塩コショウで味付けし、衣をつけて熱々の油の中にそっと、じゅううううわああああ、と揚げていく。 あまり触るな、あとは油がやってくれる。 ゆっくりとひっくり返して、そろそろか、てんてんと落ちる油が落ち着いたら油きりバットに立てかける。
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