青とピンクとカツサンド。

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彼女が用意したほうじ茶も水筒に淹れられている。 あと用意するものはカラフルなレジャーシートと折りたたみのミニテーブル。 読みかけの本とバイクの鍵。  行くべ、行くべか、の合図で俺と彼女は家を後にした。  そして太陽さんさん、日向ぽかぽか、桜の木漏れ日きらきらの中、十分足らずでカツサンドを平らげてしまった。 さっくりしっとりむぎゅっともぐもぐ。 ずずっともぐもぐまたずずっと。 そして俺はごろんと彼女の膝を枕に寝そべった。 レジャーシートから足が出るがお構いなし。 「満たされたねぇ」 「たねぇ」  おお、寝そべり見上げる桜もまた風情。 人が多い花見もそりゃ楽しかろうが、隠れスポットでのんびりもこれまた良い。 遠くから子供がはしゃぐ声が聞こえる。 いい風と春の匂いはすぐさま眠気を誘ってきた。
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