青とピンクとカツサンド。

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「お、見てみて。お茶に桜の花びら入ってきた」  見たいが見えない。 でも──ああ、桜日和。 「ん? 何笑ってんのさ?」  いやね、見上げるお前もいいもんだなとね。  ピンクの木漏れ日、桜とソースの匂い。 たまにほうじ茶とお前の声。 ふぁああとあくび一つ。 すると鼻の頭に花弁が落ちてきて、俺はふっと息を吹いてまた飛ばす。 「三十分経ったら膝枕交代ね」  そう言う彼女に俺は、はいはい、と生返事をして目を閉じた。 【ごちそうさま&おやすみなさい】
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