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第1章 どうしようもない片想い
僕は橘 孝太郎、大学4年だ。
就職活動を既に終え、あとは卒業式を待つばかりの生活を送っている。
でも、たった一つだけ心残りがあるとしたらそれは、どうしても伝えたかった想いが、どうしても伝えられない想いになってしまったことだ…
全ては大学の入学式の時の出会いがはじまりだった。
その子の名前は早瀬 香織。
満開に咲く桜の木の下で彼女がただ一人でそこにいるのを偶然見かけた。
でも僕が彼女に恋をするにはそれだけで十分だったーーー
私は、花園 七海ーーー
大学4年生。
就職活動を無事に終えて卒業式を待つだけの私には高校の頃からずっと好きな人がいた。
大学も偶然を装い同じところを受けて入った。
その人の名前は宮沢 颯太…
私は大学に入ったら彼に想いを伝えようと秘かに決めていた……
でも、私は彼に想いを伝える事すらとうとう出来なくなってしまった。
それも、最悪のかたちで終わりを告げる瞬間は訪れたーーー
それは…大学2年の春、満開の桜の木の下で香織と颯太が舞い散る桜の花びらの中でキスをしているところを私と橘くんは偶然にも見てしまったのだ……
僕たち4人は友だちだったーーー
そしてその日から僕は彼女の…私は彼の…本当の友だちにならなくてはいけなくなった…
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