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第3章 恋人との別れ
それから私は少しして預けていた頭を上げて橘くんと目線を合わせた。
「ごめん…ありがとう」七海
「いや…もう大丈夫か?」孝太郎
「うん…」七海
橘くんにそう返事をすると、橘くんがいきなり立ち上がって微笑みながら私の方を見て言った。
「帰る前になんか飲むか?奢るぞ」孝太郎
「うん、ありがとう」七海
ただ花園を元気づけたくてそう言った。
いざ言ってみるとそれまでずっと泣いていた花園の顔が嬉しそうに微笑むように笑った。
それが僕はただ嬉しかったーーー。
その頃早瀬はマンションの部屋で颯太からのメッセージを読んでいた。
『明日、大学が終わったあといつもの近くのカフェで待ってる』颯太
『わかった!明日楽しみにしてる!』香織
颯太は部屋で香織からのメッセージの返信を見た。
読み終えると颯太は少しため息をついてから1人呟くように言った。
「ごめん、香織…」颯太
颯太はスマホの画面を消して机の上に置くとそのままベットへ身体を預けた。
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