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「羽衣と咲兎どうしたんだろ……。あんなに一緒に寝たがってたのに」
「今日は寝れないと思ったほうがいいかもね、ウィードさん」
何かを察したようにそう言う凧になんで?と首を傾げるウィード。
なんでもだよ、と凧は彼のドレスを丁寧に脱がし始める。
されるがままになっているウィードは脱がされながらもなんでだろうなと考えていて。
全部脱がされ終わると元の服に着替え更衣室を出ていく。
「あれ? 羽衣と咲兎は?」
「二人とも疲れてたようで寝に行っちゃったよ?」
「そっか……」
「それよりウィードくん。早くセンチェルス様のところに行ってあげて? お部屋で待ってるはずだから」
「あ、うん。わかった! リーヴァも早く休んでね! おやすみ!」
「うん、おやすみ」
寝れるといいねと部屋に駆け込んでいくウィードの背を見送り小さく呟くと二人の手伝いに向かった。
ウィードが部屋に入るとセンチェルスはいつもの白衣姿で出迎えてくれた。
大好きなその姿を見た彼はぎゅっと彼に抱きつき安心したように笑みを浮かべる。
「センチェルス、俺、本当にセンチェルスのお嫁さんになれるんだね」
「ええ。そうですよ。私のお嫁さんになるんです。そしてあの子たちの母親になって、あの赤い屋根と白い壁のお家で四人で平穏に暮らすんです。いいでしょう?」
「うんっ。俺やっとセンチェルスと幸せになれるって思うだけで胸が張り裂けそう……。嬉しくて、嬉しくてたまらない……」
「私もとても嬉しいですよ。あんなに幼かった貴方がこんなにも愛らしく綺麗に育ってくれて、こうして私の腕の中にいてくれる。愛を教えてくれた貴方をこうしてお嫁さんに迎えられたこと、非常に感慨深いものです」
「えへへ…。…俺だって。父さんに売られて死にたいってこの世界に幸せなんてないって思ってた俺にセンチェルスは沢山の幸せをくれた。そのどれもが俺のかけがえのない宝物。全部全部大事なもの。俺はセンチェルスがいなきゃ幸せになんてなれなかったよ、ありがと、センチェルス」
「こちらこそ。こんなに暖かい気持ちを教えてくれてありがとうございます、ウィード」
なんだか恥ずかしいねと笑うウィードにそうですねと微笑み返すセンチェルス。
そんな彼はウィードにキスをしそのままベッドへと押し倒す。
その瞬間ウィードは凧が言っていた意味を理解し、これは子どもたちは一緒に寝られないなとセンチェルスを見つめた。
「ウィード、愛してます。何よりも、誰よりも。ありきたりな言葉ですみません。でも私は貴方を愛しています。この世界さえ敵に回してもいいと思うほど」
「うん」
「だから許してください。私が今から貴方にすることを」
「うん、大丈夫だよ。俺、覚悟は決まってるから」
「天使でいさせてあげられなくてごめんなさい。でも、私は貴方が欲しい。頭の先から、髪の毛の一本も残さず、爪の先まで、私は貴方が欲しい。全て、何もかもが。だから……」
「大丈夫だよ、聖夜。……俺をあなたの手で堕として」
今にも理性が切れそうなセンチェルスにウィードは両手を伸ばしその背に薄桃色の翼を広げると彼の魂名を呼び微笑む。
その瞬間、センチェルスの中の理性が砕けちったようで彼が着ていた服を引き裂くように脱がしその胸の中心にまるで切り込みを入れるように人差し指で撫で下ろすとそこから光が漏れ中からハート型のピンクサファイアが現れる。
神々しく輝くそれはまさしくウィードの魂とも呼べる宝石で。
センチェルスは羽ペンでその宝石に“Fallen”と刻み込む。
その痛みは耐え難いもので一文字ずつ刻まれるたびウィードの体に悲鳴もあげられないほどの痛みが走る。
気を失いかける彼の上半身を抱き上げ刻み込み終わると薄桃色だった翼が一気に黒く染まっていきセンチェルスはそれを名残惜しそうに見つめながら文字が刻まれたピンクサファイアを彼の中に収めていく。
「ウィザリア・カーティア。これで貴方は私のもの。貴方の全てが私のものになりました。私は今とても嬉しいです。貴方も嬉しいでしょう?」
こくこくと頷くウィードにセンチェルスはそうですよねと微笑むと優しくキスをする。
「ねぇ、ウィード。このまま永久契約してもいいでしょう? もっと深い絆を二人の間に刻みましょう?」
「ん……、いいけど……まだ、体が、痛むから……ちょっとだけ優しくして……くれると、嬉しいな……」
「ええ、もちろん。貴方を傷つけるようなことはしません。すぐに良くしてあげますから」
そう言いセンチェルスはウィードの胸に刻まれた自らの契約印に口づける。
その瞬間、先程までの痛みが嘘のように引き痛みの強さが体の疼きに取って代わったように彼の呼吸が浅くなる。
彼が触れる場所全てが性感帯へ変えられてしまったようにウィードは反応を示しだす。
「ほら、痛くないでしょう?」
「ん……っ、いた、く……ない……っ、けど……っ!」
「体が疼きますよね。今、楽にしてあげますから」
始めますよとセンチェルスは人差し指をウィードの天使武器である短剣で切ると自らの血でその契約印を外側からなぞっていく。
その行為ですらウィードには快楽でしかなくただそこをなぞられているだけなのにびくびくと体を震わせ声をあげる。
全てをなぞり終えると契約印が金色の光を放ちその血液を取り込まれたのを確認すると恍惚の表情を浮かべウィードにキスをすると貴方のもくださいと彼の首筋に噛み付く。
その瞬間、ウィードは一度目の絶頂へ達してしまい甲高い甘声をあげ体を仰け反らせた。
けれどそんなことは構わずセンチェルスは噛み付いたそこから滲み出る彼の血を直接舐めて取り込むと顔をあげごちそうさまですと彼の唇に口づける。
「ウィザリア、続けてもいいですね?」
「せいや……、いい、から……っ、はや……く、っ、きて……!」
早くとねだるウィードにセンチェルスは自らのソレを彼の秘部へと挿入していく。
久々の感覚に苦しそうにするウィードに構わず彼は腰を進める。
「んぅ…っ、あ、く…っ!」
「久々できついですね……。でも大丈夫……全部入りました……っ」
「全部……? はい、った……?」
「はい。なので動きますね」
「ん……っ!!」
水音を立て抜き差しを繰り返し、中を擦られ、奥を突かれ嬌声を上げながらウィードは2度目の絶頂に達するがセンチェルスはソレをやめる事はなく。
「ひ、ぁ…あっ!! おく…、おく、ばっか、あぁ!! き、もち、ぃ…! そこ、いいっ…!」
「知ってます…っ、さっきから、こん、なに…締め付けて…来てますから…っ」
「せ、いや…ぁ! あ、んっ、あぁ…!」
「ウィザリア…っ、体位、変えますよ…っ」
そういってセンチェルスは正常位からバックに変えるとセンチェルスは腰を動かしながら彼の胸の突起をくにくにと弄る。
指の腹で突起を弄られながら奥を突かれウィードはシーツを掴みもうむり…!と訴えるも私はまだいけますとやめるどころかさらに激しく彼を犯す。
「や、ぁあ!! そこ、やらぁ!! こ、れ…っ、だ、めぇ!! おく、たくさん、ずん、ずんってぇ…! ち、くび…もぉ、っ! じん、じんって…すりゅ…! あ、あぁぁつ!!」
「気持ちいい…ですか…っ? ウィザリア?」
「いい…! いいの…ぉっ!! ずんずん、じんじんって…っ、あ、んっ! しゅきぃ…! そこすきなのぉ…っ!」
気持ちいいと訴えるウィードにセンチェルスは片手を彼のソレに移しごしごしと扱き始める。
違うリズムで突起もソレも後ろも弄られウィードは3度目の絶頂に達するとセンチェルスもやっと達し彼の中に濃い白濁を注ぎ込む。
「な、か…っ、どくどくって…、せいや、の…どくどくって…、」
「ええ。たくさん出してます。これで三人目の子が出来たら羽衣と咲兎と一緒に育てましょうね」
「無理だよ……? 俺、男の子だもん……」
「おや、男の子は妊娠できないなんて、誰が言ったんですか? 貴方のようにかわいい男の子なら神様が間違って子どもを授けてくれるかもしれないじゃないですか」
行為が終わりセンチェルスとウィードはベッドに隣同士で座るとそんな事を話し出す。
困ったように笑いながらウィードはこてんっと彼の肩に寄りかかり、左手を空に翳し薬指にはまった指輪を見つめる。
「俺……本当にセンチェルスと結婚、するんだね」
「ええ。……ここまで長かったですね。ウィード」
「うん、ほんとに……。すごく長かった……」
「私がこの世界に、この時代に飛ばされて、何も信じられなくて心のよりどころもなくて独りぼっちだった私に貴方が色々なモノをあたえてくれた」
「センチェルスだって。俺に生きる希望を勇気をくれた。幸せをたくさんくれた。俺がこうして天使に転生できたのもセンチェルスがたくさん幸せを、愛をくれたからなんだよ?」
「ウィード……」
綺麗でしょ?とウィードは自分の中からピンクサファイアを出現させセンチェルスに見せる。
彼は綺麗ですねと優しく微笑み宝石に触れる。
「センチェルスの愛ってすごくあったかい……。ぽかぽかする……」
「そうなんですか?」
「うん。すごくねあったかい。まるでお外で干していたお布団みたいな、ひだまりみたいなぽかぽかした感じ。ふかふかのお布団とおんなじあったかさ……」
「ふかふかのお布団ですか。面白い例えですね」
「ねぇセンチェルスにとって俺ってどんな存在?」
「そう、ですね……。私にとって貴方は……太陽のような存在、ですかね」
「太陽?」
ええ、と遠い目をしセンチェルスは微笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「貴方が太陽で私が月。貴方がいなければ私は輝けないですし、私がいなければ貴方は顔を出すこともない。表裏一体、なくてはならない存在、ですかね」
「それって俺とセンチェルスが時の共有をしているから?」
「いいえ。貴方という光がなければ私はとっくに自ら消える事を望んでいたでしょう。貴方が私を闇の淵から救ってくれたんですよ。小さな手で私の手を掴んでよいしょよいしょって」
「そっか」
「だからずっと私の手を離さないでいてください。貴方が離してしまったら私は消えてしまいますから」
「うん。絶対離さないよ」
約束ですよと左手の小指を絡ませ指切りをする。
そうしてお互いに微笑みあうと触れるだけのキスをし、少し眠りましょうかと二人でベッドに入る。
ウィードはセンチェルスにぎゅっと抱き着き、センチェルスもウィードを抱きしめおやすみなさいと再びキスをした。
「あったかい……。やっぱりひだまりみたい……」
「じゃあひだまりに抱かれて眠る貴方はさながら天使のような存在ですね」
「堕ちちゃったけどね」
「そうですね」
「えへへ……。俺、今が一番幸せ……」
「そうですか? これから結婚式だというのに困りましたね」
「あ、そっか。じゃあ結婚式が一番幸せだね」
「ええ。とびきり幸せで最高の式にしましょう。ね? ウィザリア」
「うんっ、聖夜」
幸せ、と笑いあい二人は静かにそっと眠りに落ちた。
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