飛沫 - HIMATU -
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ふと思い立って、大輔の姿を探す。誰かがぼくの肩にぶちあたってよろけた。足がもつれた。前のめりに倒れる。山から離れたぼくを助け起こしてくれる者はいない。博多の町の喧騒が、地鳴りとなって鳴り響いた。鈍い衝撃に頭を眩ませながら、大輔の姿を探した。沿道に友則や七海の姿を探した。 アスファルトにつっぷしながら、熱にうなされた山が遠ざかっていくのを、ぼくはただ見ている。
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