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「宅配ではないのか? 冬弥、何か注文したのか? いかがわしいものとか」
「いかがわしいって何だよ」
「えっちなDVDが割引セールだったのではないか?」
「そんなの知らないし、頼んでもいないし」
「ふふん、気にするな。わたしは何もそのことを責めているわけではないぞ。それどころかこれでも大いに理解あるつもりだ。まあ、冬弥くらいの年ならばそういうことに興味を持ってももちろんおかしくない。一人でDVDを堪能したいのなら、しばらくわたしは姿を消しているぞ」
「だから、いかがわしいものなんて頼んでないし、そもそも何にも注文していないから」
「なら、何かの勧誘かもしれないな。気をつけろ。冬弥ははっきり嫌と言えない性格だから。この間も新聞の勧誘に延々と捕まってなかなか追い返すことができなかっただろう?」
「その話はもういいよ」
痛いところを突かれたとばかりに冬弥は顔をしかめ、インターホンに出る。
「はい」
「あの……」
モニターに一人の女性がたたずんでいる姿が映っている。
宅配業者でもなければ、何かの勧誘でもなさそうだ。
知人でもない、まったくの初対面。
ならば、ここへ来る者の理由は一つ。
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