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『おいお主等、ダンジョンコア殿の怒りと儂の怒りを喰らいたくなければ、今すぐそのくだらないじゃれ合いをやめろ。
何よりゴミ、今回は全面的に貴様が悪い。大人しくしていろ』
「おい言われてんぞゴミィ!」
「おい言われてんぞゴミィ!」
『はぁー、やれやれ……』
俺と糞コウモリ野郎が各々の得物を持って斬り合ってると、ドラゴンさんがいきなり俺と糞コウモリ野郎の殺し合いに入って来て糞コウモリ野郎の頭を摘まんで持ち上げた。
「あぁ!ちょっ、ドラゴンさん!今すぐソイツを下ろして!ソイツ殺せない!!」
「そ、そそそそうですよドドドドラゴン殿。この矮小なる私めを下ろしてくださいませんか?そそそ、それに、ゴミはアレでございましょう?」
『はぁー……、やれやれ、お主達は……。
マスターよ、お主は何のためにダンジョンコア殿に話し掛けた?
そしてゴミよ、此処に居る全ての生物と非生物が、貴様はゴミだと認識している。故にゴミは貴様の方だ』
「………………………………………………えっ」
『儂が今から貴様で遊んでやるから、喜べ。
儂が遊び終わったら、へ、ヘラスフォダラー殿に貴様を渡すから、なおのこと喜べ』
「い、嫌だ!ドラゴン様!ドラゴン様に弄ばれるのは甘んじて受け入れます!
受け入れますから!
受け入れますから、何卒、何卒ヘラスフォダラー様に私めを託すのだけは、ご容赦願い」
『貴様の言い分は聞かん。空気を読まず、小心者で学習能力皆無の貴様にはお似合いの末路だ。
わざわざ儂やヘラスフォダラー殿の手間を掛けて引導を渡してやるのだ、嬉しいだろう?』
「いいえ全く!それに引導とか言わないで……、ドラゴン様?あの、何故あの家畜から遠ざかるのですか?
お止めください、お願いします。お願いしますから!どうかあのゴブリンの許には……、
クソォオ!覚えてろよ糞人間!!また邪魔が入ったが、次こそは殺してやるからな!!」
「言ってろ糞コウモリ野郎!それはコッチの台詞だバーカバーカ!!」
結局今回もあの糞コウモリ野郎は殺れず、ドラゴンさんの介入によって俺達の殺し合いは幕を閉じた。
閉じた。うん、閉じたんだ。
でも、俺にとっても糞コウモリ野郎にとっても、本番は此処からだった。
『……マスター?』
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