1.赤い糸が繋がった日

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「とんとん拍子って言うのもなんだけど、うまくお話し合いが出来て良かったね」 車で移動中上手くいったねという会話をした私達。 「そうだな、3ヶ月後が楽しみだな」 「そうね」 3ヶ月後には結婚式を挙げて、ほんとに入籍するのかって思うと、嬉しさの反面、心の中にあるモヤモヤと罪悪感なのかわからないけど、取りきれてないこの気持ちが取り憑かれてるみたいに私を支配する。 「萌夢?顔色悪いぞ、大丈夫か?」 「あー…食べすぎたかも…ははっ…」 「凄いフードファイター並に食べてたもんな、そんなに美味しかったか?」 「うん、今世紀最大の美味しいものを頂きました、ほんとに感謝しております」 「萌夢が言うとなんか違和感感じるから笑うわ」 「なにそれ、酷くない?」 「ごめんごめん、ところで今日はどうする?」 「あー…!今何時?」 「ん?今?えーと…16時過ぎだけど、なんか予定入ってる?」 「今日高校の友達と女子会が入ってたんだわ…」 「なるほどね、んじゃそこまで送っていくよ、場所教えて?」 「ん、わかった。場所はね目黒区の…」 私は住所と店の名前を教えてふと考えてしまう 彼は優しい、でも…その優しさが時折重ねてしまう…過去の大好きだった幼馴染に… 「萌夢?今度はしかめっ面じゃん、今日は百面相してるみたいだな」 「会場着いた途端に急にド緊張する人に言われたくないわ」 「まぁまぁ…」 「あ、そこでいいよ、目の前だと多分というか確実に捕まるし、色々とややこしいことになる」 「ん、わかった。帰り帰れそうになかったら迎えに行くから連絡頂戴?」 「りょーかい、終わったら連絡するね。ほんとに今日はありがとう…!」 「おうっ、じゃあ楽しんできな?いってらっしゃい」 そう言って優しく唇が触れ合う。不意打ち過ぎて頬が紅く染まるくらい熱が上がってきて、彼は微笑んで 「ほーら、遅刻するぞ?」 「い、いってきます…」 「いってらっしゃい」 ゆっくり車から出て少し歩いた所にお店が見える。とても、とても懐かしい大好きだった幼馴染との思い出のお店が… 「そっか、あれから…5年…」 そう呟いて喫茶さくらのお店の前に立つ。重い扉に手をかけ、私は深呼吸してぐっと力を入れる。
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