1.赤い糸が繋がった日

6/14
前へ
/14ページ
次へ
カランカランと鈴の音が鳴る 「いらっしゃ…おおっ!!めぐちゃん!!!久しぶりだね!」 「お久しぶりですマスター」 変わってない内装と、少し老けたマスターの櫻井さん 「あの、茉莉紗(まりさ)は?」 「奥に居るよ、いつものでいいかい?」 「ありがとう、うん、いつものお願いします。」 足を進めると奥の窓側に彼女は座っていた。 「あっめぐー!!」 「まり!!久しぶりね」 「ほんと!!あれからだと…5年?!」 「早いもんだねー、まりなんか大人っぽくなったね。髪が伸び過ぎ!」 「そんな事ないよ?!!めぐこそ結婚するって聞いてびっくりしたよー!」 「主にその話が多そうね…ありがとう」 「ふふっ…!まぁそれはおいおい今度お泊まりするからじっくり聞くとして」 「ん?今日は違う話なの?」 「うん、違う話かな…あれよ、ちょっと懐かしい場所に来たわけだし」 「そうね、ほんと、懐かしいわね」 ちょっとの沈黙の間にタイミングよくマスターが席まで来た 「はいマスター特製の幸せマキアートだよ!もうCLOSEにしておくからゆっくりしてってね。ディナーメニュー置いておくね!」 「ありがとうございます!」 「じゃあ、ちょっと昔話でも…しよっか」 「うん、そうだね」 彼女、杉浦茉莉紗(すぎうらまりさ)は高校から出会った唯一の仲良しさんであり1番の理解者であって、あの日の事を偶然見ていた人物だ。 さて、ここからはちょっと5年6年…うんと遡って8年前の話をしよう。 「はぁ、このマキアート変わってないね。」 「この南瓜のケーキも変わってないし、ここがやっぱり落ち着くよね」 「そうね、あの日も…それより前の出会った時もよく行ったよね」 「入学式だっけ…?」 「そうそう、入学式!!あんなハチャメチャな出会いは今でも覚えてるわよ」 「そんなんだったっけ?」 「まりの記憶はどんなんだったのよ」 「うっ…まぁでも、懐かしいね入学式のあれは」 「そうね…」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加