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しまった。振り返ってしまった。
これだから幼馴染みは嫌なんだ。
気まぐれで発した言葉の端から、きっちり意図を回収してくる。
「自分で勉強する、いい機会になるんじゃない」
「そうじゃなくて」
嫌だよ
腕をつかまれた。
お前も靴下のままだよ、馬鹿じゃん なんて茶化せる余裕はなかった。
視界がクリアになって涙が引っ込んだことに気づいたのは、自転車の荷台で風を感じた時だった。
きっと風で乾いたんだ。
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