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例えばそれが恋だとしても
六時限目、古文。
古文は苦手だ。
日本語のはずなのに、意味不明だし、『いとをかし』って言われても、なんの呪文?って感じだし。
春の窓辺は温かいし、一番後ろで先生と目も合いにくいし、とにかく退屈で退屈で、眠くなる。
ふぁあ・・・。
アクビを隠すように顔を背けると、三年生男子がサッカーをしているのが見えた。
(・・・あっ)
たった今シュートを決めた人を見て、眠気がどこかへ飛んでいった。
(牧先輩だぁ!)
牧先輩は、私の憧れの人。
同じ軽音部の部長で、ギターがめちゃくちゃ上手い!
それに面倒見もよくって、背も高くてカッコよくて、優しくて、頭もいいらしくって・・・・・・とにかく、かっこいいのっ!!
牧先輩を見つけた私、それからはもう授業は全て先輩ウォッチングに使うことを決めたわけで・・・。
(あぁ・・・早く終わんないかなぁ)
あともう少しで、先輩に会える。
早く部活に行きたいな。
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