例えばそれが恋だとしても

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『あぁ!』と、手のひらを叩いてしたり顔で笑った。 あっ、ちょっと待って! 勘違いっ!絶対それ勘違いだからっ! そんなんじゃないからっ!! 「わかった!じゃあ、先行っとくわー!」 ・・・行ってしまった。 「もう、なんなのよ!さっきから!!」 西本にいらぬ誤解をされて、私はコータを睨みつけた。 「あたし、もう部活行くから!」 ギターケースを背負って、踵を返す。 そうだよ。 別に構うことないんだ。 こんなやつ。 教室には、もう誰もいなくなっていた。 私も早く部活に行かなきゃ! なのに・・・ 「待てよっ!」 コータが、私の腕を掴んできた。 その力に、ちょっと驚いてしまう。 「・・・な、なによ・・・」 「窓の外。・・・牧さんいたろ?」 まだあたしを睨んでる。 なんで、あんたにそんなこと聞かれなきゃなんないのよ・・・。 先輩の名前を出されて、途端に顔が熱くなる。 やだ、なんか・・・ドキドキしてきた・・・。 「あ・・・あんたに関係ないでしょ・・・!」 手を振りほどこうとしても、コータは離してくれなくて・・・ 「好きなのか?」 「えっ?」 「好きなのかって、聞いてんだよ・・・」 言いながら、立ち上がったコータが私に迫ってきた。     
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