1≒1 1≠1

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1≒1 1≠1

私は私と一緒に住んでいる。もう一人の私と住んでいるのだ。正確に言うと1日前の私と住んでいる。彼にとってみれば私は未来の姿なのだから、未来に私がどういう失敗をするのか当然分かってるはずなのだが、しっかり同じ失敗をしてくれる。おかげでぶつけた向う脛は未だにズキズキと痛い。 なぜそんなことになったからよく分からない。 時々どっちが1日前でどっちがどっちが1日あったのかわからなくなる。なぜ1日違うとわかったのだろう。話してみてその話の内容からであることは確かだ。見てるカレンダーは同じだが、今日が何日というのは二人違ってるかもしれない。同じ時計やカレンダーを見ていってもその日付が違っているのかもしれない なぜ過ちをわざわざただせるのに正さないのか。はじめは苛立ちもした。しかし、ひとつ考えを変えてから―これは私の考えでもあり、彼の考えでもあるだろう―一種の爽快さを覚え始めた。 つまり、私が考えを一つ変えたら、つまり決められた通りに行動しなかったら、世界は、いや宇宙はどうなるのか。 試してみた。 自分たち以外の宇宙が消えてなくなった。 これはおもしろい。 今度また決められた通りに行動することに決めた。行動するまでもない、決めるだけでいい。どうやって決めるのか―、二人でというか自分でというか、とにかく決めるだけでいい。 すると宇宙が消えたり、また現れたりする。そうすると、どうやら他に宇宙がいくつもあるのがわかってきた。 他にも違う宇宙があるのがわかると、これから現れた宇宙をどんなものにするのか、自分で決められるのではないか。 そう考える快感は無限大だ。
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