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黄昏の空の下、小麦畑で二人の子どもが話している。
「ねえ、ノアがいつも見てる夢って、どんな夢なの。教えて?」
「いいよ! ボクはさ、どこか知らないいろんな星にいるんだ。大きなビルがたくさんある星だったり!
窓がみんな光ってて、ボクたちの星のと違ってちゃんと生きてるんだ。でもボロボロの星もあったよ。
えっとそれに、すごい大きな木の下で寝てるときもあった」
「あはっ。夢でまた寝てるんだ。
わたしもそういう夢、見たことあるよ。
お母さんに起きろって言われて起きたはずなんだけど、いつのまにかまた寝てて、どうしても起きられないの」
「んー、ボクのはずっと寝てるだけなんだ。
それに小さい女の子なんだ。ボクが」
「えー女の子?ノアが?」
「昼寝してるみたいなんだけど、そのときはいつも女の子なんだ。
あと、なんか地面が真っ白で冷たい星もあったし」
「すごいね、ノア。
どうしてそんなこと思いつくの?」
「思いつくんじゃないよ。夢だもん。
でもきっと本当にあるんだって、思ってるんだ」
「本当にそういう星があるってこと?」
「うん。たぶん」
「そしたら、いるかな。誰かそこに住んでる人」
「そうだ僕見たことあるよ。いっぱいいたよ!
きっとあの女の子もどこかの星にいるんだよ」
「そっかぁー! わたし会ってみたいな」
「ボク、いつかナオスが大きくなったら、ナオスに乗って飛んでいくんだ。リリィも一緒に連れてってあげるよ!」
「ほんと? ありがとう!」
リリィは嬉しそうにノアの頬にキスをした。
ノアの頬がふんわりと赤く染まった。
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