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とにかく恐怖から、混乱から、ただただ私はモニターごしのお地蔵様を見るしか出来ずにいたのだが──
「!!!???」
次に起こった現実に、私は腰を抜かして、その場にへたりこんでしまった。
お地蔵様から魂の様な白い煙が出たかと思ったら、それがお地蔵様を包んで、石仏から男の人へと姿を変えたのだ。
モニターには先程まであった石仏の影も形もなく、お地蔵様顔をした成人男性だけが映っている。一言で表すなら、私服を着たお坊さんがそこにいた。
ありえない事の連続に、もはや私の思考なんて存在出来ていない。
が、床にへたりこんだ時の音は相当なもので恐らく外にも聞こえてしまっただろう。そんな冷静な推測が頭を走った。
それはつまり、外にいるお地蔵様のち男性になった謎の存在に、自分がいる事を知られただろうという事で。
やばい──ただ一言、本能が脳を支配した。
ピンポーン♪
本能が告げた一言を正解と示すかの様に、効果音が鳴る。
その音の正体は、私の部屋のインターホンだった。
モニターには、例の男性がインターホンのボタンを押している様子が映っている。
「…ぃヴぁアアs:■k@☆$◎wj§□~~!!!」
彼のそのひと押しが、私の限界スイッチを押した。
怖さが身体中を駆け巡って、脳天を突き抜けて、絶叫となって声に出た。
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