第四話「ツキが逃げゆく足音を止めろ」

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 鏡越しにふと本棚の上に置かれた御朱印帳が目に留まる。そういえば、ここのところ神社仏閣巡りしていない。もしかしたらそれで運気が低迷しているのかもしれない。  んっ、なに。  今、風が吹いてきた。窓を開けていないのに。エアコンもまだつけていない。おかしい。  瑠璃はかぶりを振り『気のせい、気のせい』と心の中で言い続けた。  近くの神社でもいいから今度の休みに行こう。変なもの連れてきちゃっていたら大変だし。幽霊という言葉が頭に浮かびすぐにその言葉を頭から掻き消した。そんなことはないか。  瑠璃はエアコンをつけてテレビのスイッチも入れた。  早いところ食事を済ませて今日は早く寝よう。 *
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