第四話「ツキが逃げゆく足音を止めろ」

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「そこへまた参拝しに行くといいねぇ。そこの狐神様はきっと瑠璃の願いを聞き入れてくれるはずだよ。なるべく頻繁に行くといいだろうねぇ。願い事が叶ったらお礼参りもしっかりするといいねぇ」 「その稲荷神社へ行けば運気が上がるってことですか」 「まあ、そういうことだねぇ」 「ニャニャ」 「あら、猫ちゃん。キンちゃんだったっけ」 「おや、キンちゃんどうした。なになに」  路子はキンの口元に耳を寄せて頷いている。 「そうかい、そうかい」 「路子さんは猫の言葉がわかるんですか」  瑠璃の問いかけに路子はニコリとする。 「なんとなく、わかるだけだよ。本当にそう話しているのかはわからないけどねぇ」 「それで、なんて言ったんだ。キンは」  康成はキンと路子を交互に見遣り答えを待った。 「それはねぇ。キンちゃんが、今回は出番がなくてつまらないってさ」  路子はそう話して大口を開けて笑いはじめた。  はたして本当にキンがそんなことを話したのだろうか。それはわからないが康成はキンがそう言いそうな気がしていた。 ***
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