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「ん?スヴェンってさ、そう言えば第一属性魔法なんなの?」
唐突なお嬢様の質問にスヴェンは目を細めた。
そんなことを聞く暇があるなら、さっさと資料を読み通せ、と言いたげだ。
「待って。当てるから!あ、ナイトも言わないでね。」
こちらを向いて言うお嬢様の横でスヴェンはため息をついてボソリと言った。
「誰も答えるとは言っていない。」
魔法を使う者にとって自分の得意魔法を知られることは弱点を教える事と同意義だ。
一般的には隠しておくのが賢いと思われているが、そんなこの世界の常識はお嬢様には無関係だ。
「まぁ、体格からして、土、でしょ。こう、地面からトゲトゲ出したり、壁を作ったり。まぁ、お似合いだよ。」
スヴェンはそう言うお嬢様を完全に無視だ。
「えっ違うの?んじゃー、火?」
お嬢様はスヴェンに聞くのを諦めてこちらへ聞く。
「どうでしょうか。」
「あー、違うんだ?お手上げ。教えてよぉ、スヴェン。」
はあ、とスヴェンはため息をつくと読んでいた資料を机のうえに置く。
「使った事があるだろ。水、だ。」
「みず~?いやぁ、土でしょ。」
「土なら、寧ろナイトの方が得意だ。」
「えっ、爽やかな顔してスヴェンより得意とか意外すぎ。」
お嬢様は驚いたようにこちらを向いた。
意外、とは初めて言われた。
「ちなみに、スヴェンの第2魔法属性は?」
「火だ。」
お嬢様に隠すことは諦めたようでスヴェンは即答した。
「あっ、でた。火と水を使えるって、それすごいやつじゃん!スヴェンって意外とすごいんだね。」
「失礼な奴だな。」
そう言いスヴェンは鼻で笑う。
「ってなると、第一魔法が土属性ってのが臣下にいない、、、」
火がエリアス。
水がスヴェン。
風が俺。
「魔法属性で強いと言われる火と水がいるのですから、土は必要ないのでは?」
そう俺が言うと、お嬢様は強さとかじゃない、と首を横にふった。
「揃えておきたいんだ。何があるかわからない。戦いじゃない所で土を使いたい時もあるかも知れない。」
「では、第一属性が土のやつをリストアップしておこう。」
そうスヴェンが言うと、お嬢様はまた首を横にふった。
「いや、いい」
「自分でお探しになるのですか?」
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