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「当たり前ですよ。い、家門さんがわたしのこと遠ざけるから、こんなに疲れて」
「なんや、俺の心配しとんのか」
家門さんはきょとんと眼を見開いた。
「数日仕事が立て込んだくらいで、俺がぶっ倒れるわけないやろ。なんのために毎晩走りこんでると思ってんねん」
「知りませんよ、そんなこと」
「なんやあんた、今日は容赦ないな」
咎めるようなことを言いながら、彼は小さく笑った。
「ほんと可愛らしな。……参る」
溜め息交じりにこぼすと、家門さんはそのまま瞼を閉じた。
「家門さん?」
「悪い。……ちょっと、10分でいい。寝さして」
「……! ごめんなさい」
「ちゃう。安心して、なんか……」
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