ーねぇ、信じてよー

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きみが、ここにいることが、大事なんだ。 それが、すべてなんだ。 そして、ぼくが、救われた。 きみに。 だから、ぼくは、きみの、力に なりたいんだ。 中学時代の合唱コンクール以来だ。 こんな大きな声を出すのは。 ぼくの叫びが終わると、彼女は笑った。 ぼくの知らないかわいらしい笑い声だった。 今日は知らない彼女をたくさん知ることができるなぁ。 貴重な日だ。 記念日に、しようか。 この記念日に意味があるかは、あやしいけれど。 彼女の控えめな笑い声が止み、 すっと空気をたべる音がした、気がした。
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