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ある日、いきなり長身の美男子が
「たのもーーーっ!」
と乗り込んできた。
こんなとき、あなたならどうする?
面食いな女性なら、「いらっしゃいませぇー」とハートでも飛ばすのだろうが、ここは町の片隅にあるちっぽけなボクシングジムであり、俺はその会長である37歳のおじさんだ。
会長といっても、ここには俺しかいない。
ジムスタッフも、練習生もいない。
廃業状態のジムの会長、それが俺だ。
そんな俺が返した言葉は、
「……道場破り?」
そして返ってきた言葉は、
「いえ、破られたのは俺のハートです。あなたのパンチが俺のハートを撃ち抜きました。責任取って俺と付き合ってください」
……助けてくれ。
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