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「飲み切れなかったら残せばいいだろ」
「いいからいいから」
グイグイ押し付けられたので、わかったよ、と受け取り、半分ほど減らして返した。
智典は飲み口をじっと凝視していたが、ややして口ですっぽり覆った。
そのまま目を閉じて、ドリンクを飲むでもなく、口の中で舌を動かすようにモゴモゴしている。
何やってんだ? さっさと飲めばいいのに。
……って、あっ!
も、もしかしてこいつ……!
智典は感極まった表情で天を仰いだ。
「貫一さんと間接キス……神様、ありがとうございます!」
「あほかぁっ!」
思わず怒鳴ってしまい、散歩途中のおじいさんを驚かせてしまった。
すみませんと謝って、ようやくドリンクを飲み始めた智典を睨む。
「この変態」
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