トレーニング

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一気に飲み干して空になったペットボトルを、智典は大事そうに胸に抱えた。 「変態で結構です。こんな素晴らしい宝物が手に入ったんですから。これはこれから毎晩、大事に使わせてもらいます」 「ちょっと待て、使うって何に!?」 「………」 「頬を染めるな! それよこせ! 捨てる!」 「嫌です! 絶対に渡しません!」 ダッと走り出す智典を、自転車で追いかける。 「わーたーせー!」 「いーやーでーすー!」 そんな調子で全力疾走し、ジムに着いた時には二人とも疲労困憊で床に倒れ込んでしまった。 ペース無視で走らせるなんて、アホなことをしてしまった……。 だが恐ろしいことに、こいつは俺が立ち漕ぎしても追いつかないスピードで走りながらシャドウをしていた。 凄すぎる。凄すぎて、疲れすぎて、ペットボトルのことなんてどうでもよくなってしまった。
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