俺のヴィーナス

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空になったタンブラーを俺の手から回収して前カゴのバッグにつっこむと、貫一さんはさっさとママチャリをこぎ出した。 「ほら、遅いぞ! 早く来い!」 しゅんとなるが、諦めはしない。 チャンスはまだいくらでもある。 俺は諦めない! 「貫一さーん、すーきーでーすー!」 「うるさい! それ以上アホなこと言ったら練習メニュー追加するぞ!」 「いいですよ。どんなハードワークもこなしてみせます」 貫一さんは濃い太眉を八の字にして、呆れたような嬉しそうな口調になった。 「おまえ、根性あるよな」 「根性があるかはわかりませんが、やる気は有り余ってます。やる気の源が付きっきりで指導してくれるので、いくらでも頑張れます」 「じゃあ帰ったらシャドウ8ラウンドな」 「はい」
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