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「うわっ!」とっさに頭をずらしてよける。
「おまえ、ほんとディフェンス上手いな。不意打ちなのにちゃんとヘッドスリップでよけられるなんて……初心者のくせに」
なぜか少し拗ねてるっぽい貫一さんに、口を尖らせて抗議する。
「なんでいきなり殴るんですか」
「指導だ指導。さっきおまえがよけたように、顔は攻撃をよけやすいんだ。だから、」
ポン、と腹を叩かれた。
「体も狙え」
俺の頬にペチン、腹にペチッと、軽くグローブを当てて、
「こうして上下を打つと、相手はどっちを狙われるかわからなくなってガードを上げ下げするから隙ができる。そこを狙ってパンチを打てば当てやすくなる」
「なるほど」
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