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20センチ上にある顔に向かって、引きつった笑みを向ける。
「ははっ、坊主、日本の法律も知らないんだな。いいか、俺は男、お前も男、男同士は結婚できないんだぞ」
「養子縁組という手があります。形式にこだわる必要はありません。どうせ紙の上のことです。家族として認められればそれでいい。さぁ、俺と幸せな家庭を作りましょう」
予想外の切り返しに、早くも大人の余裕がなくなった。イラっとした口調で返す。
「だから無理だって言ってるだろ。俺の恋愛対象は女だけだ」
「だから言ってるでしょう、それは食われない嫌いだって」
「なんだよその言葉。勝手に造語するな。……というか、おまえマジで俺を……その、食う気なのか?」
「はい。もちろん性的な意味で」
頭がクラッとした。
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