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「まぁ、確かに一つ一つを挙げて確かめるより、普通に生活をして忘れていることを見つけてくほうが効率だろうけど……よりによって忘れたのが朝陽のこととは、ついてねぇな」  忘れるならもっと別のことにしろよ、とため息を吐いた光太に隼士が不思議そうな顔をこちらに向ける。 「俺がこの大親友……とやらを忘れたら、何かまずいことでも?」 「ほぉ……お前、その言葉は忘れんなよ? オイ朝陽」 「はい?」  本来なら親友として怒ってもいい立場のところ、代わりに光太が切れてくれていたので黙っていた朝陽がアヒル口で笑う。 「今後、もし隼士が泣きついてきても、土下座するまで許してやるなよ?」 「ええ、そうすることにします」         
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