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 目の前でニヤニヤと笑う二人を、隼士が不安そうな顔で見つめてくる。それを見て少々心が痛んだが、これから友人としてやっていくのならこれぐらいの距離がちょうどいいと、朝陽は心を鬼にして見て見ぬ振りをした。 「二人してなんなんだ。俺は怪我人だぞ? もう少し優しくするとかいう気にはならないのか?」 「ハハッ、ごめんごめん。ま、その話はすぐに分かると思うからまた今度ということにして。それで、先生はいつ退院できるって?」 「……怪我自体はそんなに酷くないが、記憶障害が出ているということで、一週間ほど検査入院になった」 「まぁ、事故の怪我って後から出てくるものもあるしな」  少なくとも人一人分の記憶が抜け落ちてしまっているのだからと、光太は検査を強く進める。 「さて、入院が長引くとなれば着替えとか必要になってくると思うけど、それはどうする? 親御さんに連絡して持ってきて貰うか?」 「あ、それなら俺が隼士の部屋に行って持ってきます!」  話合う二人の間に、朝陽が挙手をしながら割って入る。 「お前が?」 「何だよ、俺じゃ不服か? 俺、結構な頻度で隼士の部屋に遊びに行ってるから、多分家族より部屋に詳しいと思うぜ」     
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