1人が本棚に入れています
本棚に追加
グルッグーと鳩とは思えない不気味な鳴き声とそれとは対照的に爽やかな朝日によって目が覚ます。
目を覚まし、まず適当に握り飯を作る。中身の具材は鰹節や鮭を入れる。水筒にお茶を入れたあと剣道部の時に使っていたエナメル製の鞄に入れある場所に向かった。
朝とはいえ夏らしい湿度と暑さが身に染み、軽く汗をかきながら図書館につく。
図書館の入口に立ち数度深呼吸をした後、意を決して中へ入った。
「あ~そのイレブンさん?います?」
紙と建物の独特な臭いがしており、電気のない薄暗い空間がどうも不法侵入をしているのではと錯覚さえ感じさせた。
その時ゴトリと音がなる。青髪の女性が本を机に置いたようだ。絨毯のせいで足音が響かないが奥から見えるシルエットで辛うじて判断できる。
「カーテン開ける?」
「え?」
彼女の指さした所にカーテンがあった。
「頼む。」
すると彼女が手を振るとカーテンが勝手に開いた。
「昨日もその力を使ったね…その…手品とかじゃないよね?」
そう聞くと彼女は首を縦にふり肯定した。青い髪に碧眼、人形のような容姿でまた口調や性格も機械的で人形の様に見える。
「君は自分の名前がイレブンとしか分かってないでいい?」
「私はイレブン。それだけしか分からない。」
不思議な雰囲気を纏う女性、イレブンは自身の名をイレブンと名乗った。彼女は手を振るだけで物を動かしたり、また光らせたりするという不思議な力を持っていた。
「エイリアンか何かかな?」
「エイリアン?」
「いやこっちの話」
氷の音を鳴らしながら水筒のコップにお茶を注ぎ家から持ってきたおむすびを渡す。
「昨日のこともあるし自分の家に来る?と言っても親がいないのは1週間だけだけだからそれ以降は無理だよ。」
昨日何があったのか、それは出会った時まで遡る。
最初のコメントを投稿しよう!