始まりと終わりと廻り合い

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 澄んだ青空とは対照的にジメジメした湿気とセミの鳴き声が暑さを倍増させている。ただ木漏れ日が少し涼しさを感じさせていた。  その木漏れ日の中から自転車を漕ぐ青年が一人、自転車の籠には携帯のキャリアが印刷された紙袋とスポーツ用のエナメル鞄が入っていた。  「暑い。」  目の前で遮断機が倒れるとため息をつく、一度倒れると電車が通りすぎるのに二分以上かかるという厄介なものだ。  買ったばかりのスマホを開いてみる、2012年に入った今世の中はスマホの時代だと言われている。世の中の流れに乗り遅れない為にも買うべきかと思いついに買ってみた。  というのも周りがあるRINEを使って連絡を取っているのに対し、自分だけメールなのである。毎度連絡がワンテンポ遅れて来たり、最悪忘れられることもある。その現状を打開したい為に買ったことが本心である。  「と、いっても機械音痴なんだよなぁ。」  スポーツ飲料を軽く飲みながらブラウザを開く、とりあえずインターネット掲示板を開き今話題になっている内容を覗く。
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