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「ん?」
卵形をした巨大なカプセルが鎮座していた。継ぎ目のような幾何学的な模様がありその模様はその中心には11と数字がプリントされていた。
また数字を中心に水色に発光しており、一言で言えばSF映画の何かの装置にも見えた。
怪訝な顔で見覚えのないそれを眺めているとスマホに着信が入った。
「これは?」
その着信はRINEによるものだったが、それは見知らぬ人からの着信だった。
「開けて」
RINEにはそう書かれていた。
そして画像も送られた。その画像はイラストで11の数字のところにスマホを押し付けるように示されていた。
「?」
意図は読み取れる、だが状況が読めなかった。何故送信相手は自分の連絡先を知っているのか、何故開ける必要があるのか。ただ胡散臭い状況下ではあったが、漫画やラノベではあるまいし考えすぎかと心の中で呟き試しに携帯を押し付ける。
するとその機械は反応しウィーンという開閉音を鳴らしながら縦に開いた。
反射的に少し後退りをし事の成り行きを眺めた。卵形のカプセルから水蒸気かまたは別の何かなのか大量の白い煙が吹き出てくる、そして中からフカフカの椅子そして謎のパネルがギッシリ詰まっていた。そして何より目に付いたのは…
「人間?」
水色の髪、そして碧眼、陶器のように白い肌をした人がいた。服装は古代エジプト人のようで、マネキンのように整っていて、作り物と錯覚してしまった。
「あなた…」
「え?」
ミステリアスな彼女からの第一声は、中二チックな謎めいたことを言わなかった。
「…あなたは誰?」
ただシンプルでかつミステリアスではある。
そう思ってしまった。
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